SFTSウイルスによる感染症です。
ウイルスを持つマダニ(日本ではフタトゲチマダニとタカサゴキララマダニが感染に関与)に咬まれることにより感染しますが、咬まれた痕が見当たらない患者もいるそうです。
感染・発症している野生動物やネコ・イヌの血中からもSFTSウイルスが検出されており、感染動物に咬まれたり、血液などの体液に触れることでも感染します。
また、ヒトからヒトへの感染事例の報告もあります。

主な初期症状は発熱、全身倦怠感、消化器症状で、重症化すると死亡するリスクがあります。致死率は10~30%です。
アジアの広い地域で流行しており、国内では西日本が多いですが、関東でも報告されています。
日本では2013年に初めて確認され、その後毎年60~90名の報告が上がっています。

屋内のみで飼育されているネコやイヌからヒトに感染した事例は今のところありませんが、動物由来感染症に対する予防の観点からも、動物に触ったら必ず手を洗いましょう。過剰な触れ合い(口移しや一緒の布団で寝る等)も控えましょう。
また動物にマダニが付着した場合は動物病院を受診して下さい。無理に取ってはいけません
野生動物との接触は避け、死体等にも触れないようにしましょう。
体に不調を感じたら早めに医療機関を受診して下さい。その際に飼育動物の様子や接触した動物の状況も医師に伝えて下さい。

ダニはその他にも、日本紅斑熱やライム病、ツツガムシ病、ダニ媒介性脳炎などの感染症を媒介することがわかっています。
普段から予防を心がけましょう。


<参照>
厚生労働省(重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について|厚生労働省 (mhlw.go.jp))
国立感染症研究所(重症熱性血小板減少症候群(SFTS) (niid.go.jp))